Apple 梅田探訪記 | 「日本初」だらけの新リテール
2025年7月26日、5年半ぶりとなる日本のApple Store新店舗、Apple 梅田が開業した。このグランドオープンに際し筆者も現地へ訪問したので、その記録を紹介する。
Apple 梅田の概要
Apple 梅田は大阪駅直結の「グランフロント大阪」の南館内に開業した新しいApple Storeだ。Apple Storeは大きく分けて路面に構える「タウン型」とショッピングモール内に構える「モール型」に分かれるが、今回は「モール型」の新店舗となる。丸の内や川崎など次々に開業した関東に対して、関西圏は長らく心斎橋と京都の2店舗体制が続いていた。その中で、近年のインバウンド需要の高まりなどが合わさり一台ターミナル・大阪駅の目の前且つ再開発の進む「うめきた」エリアへの出店というタイミングが重なりApple 梅田が開業することとなった。

グランフロントの店舗形状なども相まって、外目から見られるブリッジエントランスというタウン型の要素を感じる「渡り廊下」の入り口とモールの空調の効いた空間から入れるモールエントランスという2つの入り口を設けた構造となった。店舗としては、従来の店舗と比べても「サステナビリティ」と「アクセシビリティ」に重きが置かれている。これに関しては後述する。
開業当日の様子
筆者は東京在住のため、東京から大阪まで夜行バスで移動し、列に並び始められたのは6時半頃であった。しかし、前日から徹夜で並んでいる方も多くいらっしゃり、実際に店舗のある2F部分はすでに列ができており、筆者は1Fで並ぶこととなった。なお、このあとも次々に並ぶ人は増え、最終的には1Fの部分だけで4-5ブロック程度、合計で2000人を計上した大人気イベントとなった。オープン前には10:00のオープン時には店舗のスタッフがハイタッチランを行なっていたそうで、2Fにいた方の話によると非常にストアスタッフさんもハイテンションだったようだ。それもそのはず、Apple Storeの新店舗開業の際は他の店舗から異動した方と新規で入られた方によって新しい店舗のメンバーが構成されるが、そのメンバーで店舗の組み立てからプレオープンイベント、メディア向け内覧などをこなしているからであり、そうやってメンバー同士の結束力を高めることでより良い店舗運営に活かすというAppleの方針によるものだろう。

オープンをしたあとは比較的スムーズに列が流れ、20人ごとに区切って案内する方法もAppleが長年培ってきた経験が生きているものだと推察する。筆者は10:12頃にお店に入ることができ、今回は並んだすべての人がゲットできる潤沢なノベルティの在庫があったそうだ。なお、今回のノベルティは前回となる川崎や丸の内と同様にトートバッグとピンズ、ステッカーの構成であったが、ステッカーは「うめだ」の文字列の入ったもの、トートバッグはポケットのついたものへと変更されており、前回から比べてもさらにランクが上がったような印象だ。
店舗内ではそれぞれの顧客が、筆者を含めさまざまな方と交流し、その中でメディアの方々とも触れる機会がある時間となった。
Apple 梅田の特徴
Apple 梅田には、日本初となる要素が複数組み込まれている。ここでは、その要素を先述したサステナビリティとアクセシビリティの2点と、その他に分けて紹介する。
サステナビリティ
まず目玉はその目を引く天井だろう。英国旗艦店であるバタシー発電所の店舗に採用されている生物由来の音響バッフルボードが採用されている。また、床はバイオポリマーで作られており、店舗にはふんだんに木が用いられている印象を受ける。

また、新たに給水機(ウォーターサーバー)が設置され、これにより誰でもマイボトルに水を注ぐことができるようになった。ここで注がれた水の量を元に何ボトル分のペットボトルが削減されたかがわかるようになっており、環境配慮を謳うAppleらしい取り組みだと感じた。なお、この給水器はおそらくセンサーによりどれくらいの量を注ぐべきか判断する仕組みであるため、注ぐも止めるもユーザーに負担を強いない形となっている点が特徴だ。ただし、透明なボトルの場合は自動的に止まらないため注意が必要だ。
アクセシビリティ
この店舗ではGenius Barの机に2サイズ、その他のサポート等で使う汎用テーブルでも2サイズ、それぞれ高さの差が設けられていた。これにより、車椅子を使う方やお子さんには低いテーブルを案内することができるようになったほか、椅子にも2サイズそれぞれが設けられたため親子連れにもありがたい仕様だろう。
また、この店舗はモール型ということもありワンフロア完結となっており、店舗内の移動についても混雑を加味しなければ非常に余裕があり、車椅子の状態でも利用しやすいようになっていることが見て取れる。もちろんフロア内での段差は存在せず、渋谷店のような高低差も感じなかったためどんな肩でも体験しやすいストアとなっただろう。
Apple Vision Pro Experience Room
日本では初となるApple Vision Proのデモをするための専用空間ができたことにより、ソファによるデモの体験がしやすくなっていた。これは今年1月に開業したMiami Worldcenter店から導入されたものであり、最新式の設備が整えられた形となる。このソファが置かれた空間は他と比べても軽い仕切りがある形となっており、他から隔離されたような環境で集中してデモが受けられるようになっているほか、この空間のみ壁面がまっさらな形となっており、コンテンツの邪魔をしないようになっているだけでなく、今年9月にリリースされるvisionOS 26で空間上の一定箇所に留めることのできる新しいウィジェットの導入が発表されており、そのデモの際にもその壁を使ってそこの空間に配置するというのが気軽にできるよう作られているのは大きな特徴だろう。

4つのソファが2席ずつに分かれており、その中央にはApple Vision Proを試せる空間が広がっている。そこに置かれたディスプレイはvisionOSのウィンドウを模したラウンドエッジとなっている。この形状になっているのは店内のディスプレイの中でもここだけであり、MusicやTV+は従来通りのスクエアエッジのままであることを考えると、このExperience Roomがいかにこだわって作られているかがわかる。
なお、そのディスプレイの左右にはまだスペースがあり、その部分は現時点で日本ではここだけの「触って体感できる」スペースになっている。将来的にvisionOSアクセサリが増えて展示する必要が出た場合や、ProでないVisionモデルの登場によりスペースが必要になった際に拡充することもできるスペースとして設計されているそうだ。
スピーカー埋め込み型のToday at Appleテーブル
AppleがApple Storeで行っているセッションであるTodayでは、店舗や規模に応じて大型のディスプレイと大量の椅子を使って行うビデオウォール型と小さいディスプレイで行うテーブル型の2つがあったが、この梅田点にはビデオウォールが設置されていないためテーブル型のみとなる。しかし、そのテーブルが非常にこだわって作られたものであり、そのテーブルが「窪んだ」部分に隠されている。

まず目を引くのは白いスピーカーグリルだろう。従来のテーブル型ではBeats Pillなどの外部スピーカーを用いてストアスタッフや映像の音声を流していたが、今回はそこへのテコ入れとしてテーブルの中にスピーカーが埋め込まれることとなった。筆者はこのテーブルで行われた、梅田店初のToday at AppleであるSay Hello to Apple Intelligenceのセッションを受けたが、その音は低音が響くスピーカーで、スタッフさんの声も非常に聞こえやすかった点は印象的だった。また、これが埋め込みになったことで床下にケーブルが垂れることもなくなり、アクセシビリティを謳う今回の梅田店においては子供の安全性を確保する点でも大きい意味を果たすものだろう。

また、グリル以外にも必ず1スピーカーに対して2本のUSB-Cポートが用意されており、それによりユーザーは自分の端末を充電することができる。ありがたいことに筆者も使わせていただいたが、アダプタ等を噛ませずに直接USB-Cケーブルを刺して充電できるスタイルはシンプルかつ便利なものであった。なお、これ以外にも最もディスプレイ側の窪みにはオーディオインの3.5mmジャックと映像用のHDMIポートが用意されていた。
総評
日本第二の都市である大阪の駅前中心地にできるストアとして、非常に完成度の高いものにまとまっていたと感じた。また、これによりインバウンド需要が見込めるのはもちろん、グランフロントへ買い物や旅行に来たファミリー層にも気軽に入りやすいストアとして子供でも安全かつ十分な体験が受けられるような環境が整っていたのは流石の一言だろう。筆者はこのまま東京へ帰宅するが、これ以降の当店舗の発展にも期待したい。
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