Apple Event 「Awe dropping.」まとめ
Appleは2025年9月10日(日本時間)、新しいiPhoneなどを発表するApple Event “Awe dropping.”を開催した。この記事では、その内容について全体をさらいつつ雑感を整理していきたい。
オープニング映像
オープニング映像では、Appleのデザインを、ハードウェアとソフトウェアの融合をモチーフに見せる内容だった。複数の製品とOSデザインを統合し、これまで積み重ねてきた美しさを優雅なアニメーションで紹介していた。以前2021年秋に開催されたMacBook Pro (M1 Pro, M1 Max)を発表した“Unleashed”イベントの冒頭では音に着目した映像があったが、今回はモーションと設計に着目したものだった。
AirPods Pro 3
AirPods Proは、2022年のAirPods Pro 2以来3年ぶりのメジャーアップデートとなった。筐体のデザインも刷新され、AirPods史上最もフィット感の高いモデルとなった。
バッテリー性能が向上し、1回の充電で外部音取り込み時には10時間、ANC利用時には8時間と、従来のAirPods Pro 2から最大4時間向上した。また、マイクは先進的なコンピュテーショナルオーディオを活用することでANC性能を2倍、AirPods Pro初代 (2019)比で4倍に向上した。
さらに、心拍数センサーがイヤホン本体に搭載された。このセンサーは、Apple WatchやPowerbeats Pro 2に搭載されているものと異なり、不可視光であるため外から見ても心拍数を測定していることがわからずイヤホンとして自然な見た目を実現している。これにより、Fitness+で利用でき、新しいWorkout Buddy機能とも併用できる。
Apple Watch Series 11
ハードウェアの進化
Apple Watch Series 11では、Series 10から画面の耐摩耗性能が向上した。これによって、アルミウムケースのIon-Xガラスであっても擦り傷に強くなった。そして、バッテリー性能が向上し、駆動時間が従来から示されてきた”All-day battery life”である18時間から24時間に飛躍的な向上を遂げた。これによって、1日1回の充電サイクルで運用できるとされている。実際筆者はSeries 10を愛用しているが、100%充電から22時間ないしは23時間で電池が尽きるため、1日耐えうるバッテリーになったことは喜ばしいだろう。また、GPS+Cellularモデルでは、5G通信に対応したことで、iPhoneが手元になくても、電話やメッセージング、音楽ストリーミングなどで高速な通信ができると喧伝している。
ソフトウェアの進化
Series 9とUltra 2以降のS9またはS10 SiPを搭載したApple Watchでは、高血圧時の通知機能が搭載された。Huaweiなど一部メーカーで採用されている数字で血圧を測定する機能ではなく、あくまで従来型の第3世代光学式心拍センサーと電気心拍センサーによる情報から高血圧の通知をする機能である。
さらに、睡眠のステージや時間、心拍数などのデータを活用することで睡眠の質を数字で示す「睡眠スコア」機能が搭載された。これにより、睡眠の質を定量化して測ることができる。この機能はwatchOS 26に対応するすべての端末で利用することができる。
Apple Watch SE 3
Apple Watchの中でも売れ行きモデルであるSEに新モデルが登場した。新たに常時表示ディスプレイに対応したことによって、Apple Watchの現行シリーズは全て常時表示に対応したことになる。ただし、ディスプレイはLTPOディスプレイのままであるため秒針の1Hz更新には対応していない。
また、バッテリー駆動時間はAll-day battery lifeの18時間のままであるが、充電時間が早くなったことで80%まで45分間で充電できるようになったほか、緊急時のFast Fuelのような形で15分充電により8時間使用することができるようになった。
SiPはSeries 10や11と同等のS10 SiPでダブルタップやwatchOS 26から搭載される手首フリップなどの新機能が利用できるようになった。前述の睡眠スコアについてももちろん利用は可能だ。
Apple Watch Ultra 3
Apple Watch Ultra 3は、Ultra 2の正当後継モデルである。Series 11と同様にバッテリーが伸び、Ultra 3では42時間のバッテリー駆動時間に対応した。さらに、LTPO3に対応したことで広視野角や1Hzの秒針表示に対応したほか、画面サイズも大型化し、0.77cm四方拡大したことでSeries 10や11の46mmを抜き最大のディスプレイとなった。
もちろん、Series 11から利用可能な5Gのセルラー通信は利用できるほか、iPhone 14以降で対応している衛星経由の緊急SOSにも対応したことによって、モバイル通信もWi-Fiも利用できない時でも緊急通報サービスに連絡することもできます。
iPhone 17
iPhone 17は、iPhone 16の後継モデルだ。iPhone 16 Proと同等の筐体サイズ、および画面サイズとなり、さらにProMotionの120Hzや常時表示ディスプレイに対応したほか、3,000nitsの屋外ピーク輝度となった。さらに、画面側のCeramic Shieldは第3世代となるCeramic Shield 2となり、第2世代から比べると3倍の耐摩耗性能を誇る。
さらに、超広角カメラが48MPとなったことで、超広角とメインカメラの両方のレンズがクロップズームに対応したFusionと呼ばれるカメラになったことで、このカメラシステムをAppleはDual Fusionカメラだと喧伝している。
フロントカメラは18MPのCenter Stage (日本だとセンターフレーム)に対応した。これにより、従来からiPadやMacで利用できていたような顔への自動追尾に対応した。さらに、iPhoneで初めてとなるスクエア型センサーになったことで、縦方向にも横方向にも12MPのクロップによる無劣化4:3切り出しができるようになる。さらに、アクションモードの技術を応用することで、スクエア型になったことにより広がった余剰なセンサー部分をマージンとして使い手ぶれ補正に対応した。
また、搭載されているチップは順当にA19へアップグレードされた。そこで、Display Engineが新搭載されたことにより、前述のProMotionと常時表示ディスプレイを搭載しつつバッテリー持ちと両立しうる選択肢となった。さらに、16コアのNeural Engineも新しくなり、Apple IntelligenceをはじめとしたAI機能をより快適に動作させることができるようになった。
電池持ちはビデオ再生30時間に8時間も伸び、さらに40Wによる20分で50%充電する高速充電にも対応したことから、バッテリー面では非常に利のある端末となった。
iPhone Air
iPhone Airは、5.6mmの筐体で、iPhone史上最も薄いモデルとなった。そのiPhone Airは165gのボディに6.5インチのSuper Retina XDRディスプレイを搭載しており、ポジションとしては従来のPlusを置き換えるものであるが、薄さを元に新シリーズとなった。その筐体フレームはグレード5チタニウムを採用しており、鏡面仕上げはApple Watch Series 10や11のものと同様の技術だ。
チップは、前述のiPhone 17に搭載されているものの強化版であるA19 Proを搭載。さらに、通信系のWi-FiやBluetoothの関連はN1チップに統合し、モデムは16eに搭載されたC1の強化版であるC1Xを搭載した。これにより、少ないバッテリー容量ながら連続ビデオ再生時間は27時間と、iPhone 16 Proと同等の時間を超薄型ボディで実現している。
もちろん、iPhone 17と同様の最大3,000nits輝度なProMotion対応ディスプレイだ。
iPhone 17 Pro
iPhone 17 Proは、iPhone 15 Pro以来となる大型アップデートとなった。筐体は、チタニウムからアルミニウムUnibodyに変更された。これにより、排熱性が飛躍的に向上したことを受けて、新しく搭載されたべイパーチャンバーと合わせて熱耐性がかなり改善した。
新しく大型化されたカメラバンプには、4倍望遠カメラが新たに搭載された。このカメラが100mm相当且つ48MP Fusionとなったことで、4×2倍のクロップズームで最大8倍の光学相当となった。3つのカメラがいずれもクロップズームに対応したFusionカメラとなったことで、このカメラシステムは合わせてPro Fusionカメラと勝された。
ビデオ撮影の面では、Final Cut CameraやBlackmagic Cameraのアプリを利用することで、ProRes RAWの規格にスマートフォンとしては初めて対応することになった。さらに、Apple Log 2コーデックに対応したり、Genlockとタイムコードに対応することで、複数カメラ・アングル撮影での映像同期が楽になったりと、プロシーンに向けた新機能が数多く搭載されることになった。
バッテリーは、iPhone 17 Pro Maxが最長のバッテリーとして、フル充電からだと15 Pro Max より4時間も伸びたと説明しており、さらに充電時間も20分で50%充電に40Wで対応した。
総括
今回発表された中でも、Apple WatchとAirPodsは比較的堅実寄りなアップグレードが目立った。特筆するような目玉機能には欠ける一方で、従来までの使い心地を改善するバッテリー増なのは素直に嬉しいだろう。加えて、watchOS 26のアップデートによって睡眠スコアなどの機能が従来機種でも利用できるようになる点は興味深く、WWDC25で発表しそびれた新機能も旧ユーザーが恩恵を受けられる形なのは面白い。
一方のiPhoneはチャレンジングな印象を受け、特にiPhone Airと17 Proは薄型と排熱という全く別の方向性に向かっており、大型軽量を求めるユーザーとカメラクオリティを求めるユーザーと両方への受け皿を全く別物として用意したのは新しいやり方だと感じた。
これらの製品のうち、iPhone以外はすでに予約を開始しており、iPhoneは12日金曜日の21時予約開始、全て19日の金曜日に発売だ。
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