iPhone 17レビュー | 万人に贈る、ど安定の無印
2025年秋にAppleが投入したiPhone新モデルのうち、標準モデルに当たるiPhone 17の無印を今回はレビューしていく。今年1月にはこの前モデルに当たるiPhone 16を、また本記事と同時公開でiPhone 17 Proのショートレビューも執筆しているため、それらも併せてご覧いただきたい。
外観・デザイン
大枠のデザインは前年のiPhone 16とまったく変わっていない。側面はいつものアルミニウム、背面のカラーインフューズドガラスも3年目となり、今回筆者が選択したブラックモデルもカメラ周りとそれ以外での厚みの差による色の差を感じやすいデザインにまとまっている。

サイズは今回大型化され、iPhone 12から16までの6.1インチから6.3インチまで上がった一方で、ベゼルレス化も進められたことで本体の幅は変わらずとなった。ベゼルレスによって見た目は洗練された印象になった一方で、筆者にとっては相変わらず大きいなと思うサイズであることには変わらない。裸の状態で片手操作が限界、ケースをつけるとほぼお手上げというのは以前レビューしたiPhone 16と同じ印象だ。
ディスプレイ
今回はディスプレイの進化が最大の目玉であったと言っていいだろう。前作までは変わらず60Hzのディスプレイを搭載してきたところから打って変わり、今回はついに可変120Hz駆動のProMotionテクノロジーが採用された。これにより、スクロールした時の指の吸いつきが大幅に向上し、新しいLiquid GlassのGorgeousでFluidでEroticなデザインとの親和性も高いように感じる。

また、ProMotionが採用されたことに伴ってAlways-Onにも対応し、ロック中でも常に壁紙やウィジェット、時計を見ることができるようになった。正直Apple Watchでいつも時刻を確認する筆者としてはそこまで必要性を感じなかったが、役立つと感じる人も一定数いるだろう。なお、従来はロック時にホーム画面へ遷移する際には一度画面をタップしてウェイクさせてからスワイプの動作が必要であったが、Always-On動作時にはスリープ状態からスワイプするだけで良いため、動作が一つ減ったという観点では高く評価できる。
A19チップ
昨年のiPhone 16に引き続き、今回も最新の無印チップであるA19が採用された。例のごとくベンチマークを回したところ、CPUはシングルコアで3654、マルチコアで9258と概ねA19 Proとも肩を並べ、M1には大きく勝ち越すスコアを出している。

GPUにはNeural Acceleratorが搭載され、AI処理、特にローカルLMの動作は格段に向上した。もちろんiPhone Airや17 Proに搭載されているA19 Proと比べては非力ではあるものの、Neural Engine単体のスコアではSPSが4652、HPSが35450、QSは48651というスコアをGeekbench AIで上げており、特にSingle Precision ScoreがA18の4226から大きく向上した点は長く使える基礎性能があることを示すだろう。
なお、GPUのMetalスコアは37459とこちらもM1の34072(実測値)を抜き、モバイル向けとしては十分すぎる性能を示している。
Fusionカメラ
流石にカメラについて触れずに近年のiPhoneは語れないだろう。今回のiPhone 17では、超広角カメラがPhone 16 Proや17 Proと同じ1/2.55”のIMX972が搭載された。これにより、超広角とメインの2つのレンズが48MPとなったことでDual Fusionカメラシステムと命名された。なお、メインカメラはiPhone 15, 16から継続搭載されている1/1.59”のIMX904となる。

まずは目玉の超広角での作例から。空の明るさに引っ張られることなく、周りのビルや標識もくっきりと写っている印象だ。 フォトグラフスタイルは安定の「クールローズ」。ビル群などガラスが多く含まれているショットにはマッチしており筆者も気に入っているスタイルだ。

こちらも同じ通りで撮影したものだ。建物が並んでいる様子は縦で撮っても広く映るのは超広角カメラの使い所だろう。同じく「クールローズ」のスタイルは自然に青みがかったような色味を作り出す。

銀座駅から日比谷駅に向かう地下通路の階段部。比較的長さのある階段だが、その長さを超広角カメラでうまく表現できている印象を受ける。白黒のスタイルのうちコントラストの強い「スターク」はこの通路の古めかしさも表現されている。

早朝の銀座の交差点。いくら大型化されたとはいえど1/2.55”であるため、低照度の撮影はまだ苦手意識が残る。特に、左の建物の1F部は非常にノイジーだ。なお、このシチュエーションにおいてはナイトモードの自動起動はされなかった。

銀座駅構内でナイトモードのオンオフを比較。比較的照明の入る環境であったため最大ナイトモードでも1/3sであったが、それでも天井の模様など一目瞭然の差があるのがわかるだろう。低照度で超広角カメラを利用する際は、ナイトモードを手動でオンにすることでも印象は大きく変えられる。

続いてFusionメイン。都営地下鉄の新橋駅入り口に古めかしい看板があったのでつい撮ってしまった。暖色系の灯りとフォトグラフスタイル「アンバー」は相性がいいように感じ、自然にこの歴史感を表現することができているように感じる。

こちらもFusionメインの2倍クロップでポートレート撮影。葉の境界はわかりやすかったのか、特に違和感も感じない自然なボケ感を実現している。フォトグラフスタイルは「ニュートラル」を選択。自然のありのままの色味を表現できているように感じる。

聖徳記念絵画館の遠景。こちらも2倍クロップズームで撮影し、雲と建物が良いトーンでまとまっている印象を受ける。こちらもスタイルは「ニュートラル」を選択。自然が入ってくるときにはそのありのままの色味に近い表現ができるため、このスタイルは結構使い勝手が良いものだろう。

Apple 銀座のペリペリを剥がしているシーン。クロップズームはセンサーの一部しか使わないため低照度環境に弱いが、夜でも一定の灯りがある環境であれば強いノイズを感じることもなく撮影できている印象だ。スタイルは「ローズゴールド」を使用。暖色系の灯りとマッチしている。

デジタルズームの作例も一つ。109mmと約4倍のズームをしたが、複雑な街の風景の割にはかなり耐えてる方ではないかと好感触を受けた。後ろの標識の「厚木」の文字も判読でき、シャープネスを強めまくったような補正の極端さも感じないため、光学相当ズームの2倍からさらにもう2倍拡大している割にはよくやっている方ではないかと感じた。

銀座駅構内にあった輝くモニュメントを撮影。光が乱反射するシチュエーションながら綺麗に記録できている。そして、これはHEIF Maxで48MP記録したものだ。1枚あたり14.4MBとHEIFらしからぬ容量を食うが、その分あとから拡大しても一定の品質が保たれる。実際に10倍に拡大すると以下のようになる。もちろん10倍なので無茶はしているのだが、それでもこの品質を保てるのは48MP記録の大きな利点となるだろう。

Center Stageフロントカメラ
フロントカメラも今回は大幅に刷新された。従来までは一般的な長方形センサーが搭載されてきたが、今回新たにiPhone 17シリーズ、Airに共通して八角形型のIMX914が搭載された。このセンサーをクロップすることで、ポートレート / ランドスケープを問わず、好きな向きと画角を縦持ちのまま選べるようになった。最大の記録画素数も18MPに上がり、顔を自動追尾する機能が搭載されたことからセンターフレームフロントカメラ(Center Stage Front Camera, CSFC)と呼ばれるようになった。
CSFC自体は2021年のiPad Proを皮切りにiPad、Mac、Studio Displayに広く搭載されていたものであるが、従来のCSFCは12MPの長方形の超広角カメラとすることでクロップ対応していた一方、今回iPhoneに搭載されたものはほぼ正方形であるため縦横すら自由にした上、18MPと画質に余力を残すことでクロップしても画質が落ちにくいことを特長とする。そのため、長方形で記録した場合は従来のCSFCよりも画角が若干狭まるが、そのセンサーサイズには大きな差があるためノイズ感には大きな差が出る。

銀座・サヱグサビル前で撮影したセルフィー。iPad Proに搭載されているCSFCと比べると、縦撮影時の画角は少し狭まるが、そのノイズの少なさや解像感は一目瞭然で差がある。
さらに、フロントカメラの性能が向上したことに伴ってか、背面カメラと同時撮影するデュアルキャプチャ機能が新たに追加された。以前からFimic Proなど一部のサードパーティでは前面と背面の同時撮影機能が存在していたが、それをもっと気軽に撮れるようになった格好だ。
背面の超広角カメラと合わせて撮ることにより、気軽にVlog風の映像が撮れる。埋め込み動画中でも話しているが、日本のテレビでは馴染み深いワイプのようなスタイルでの撮影ができ、さらにそれを動かせることでその場に応じた撮り方ができる。さらに、音声についてもiPhone 16以降で使えるオーディオミックスと組み合わせることで、外部マイクを使わずとも内蔵マイクだけでそれなりに使えるクオリティに仕上がっているのではないだろうか。
ただし、iPhone 17では4K@30fpsが最大であり、4K@60fpsでの撮影ができないほか、あくまでデュアルキャプチャであるため別クリップ保存ができない点も要注意だ。これらの点にこだわる人に向けては従来から存在していたFilmicなどに道を譲った格好であろう。
バッテリー
今回のiPhone 17では、A19チップの省電力性能がiPhone 16から向上したことを受けてバッテリー持ちが向上したことを喧伝している。しかし、iPhone 16と並べて検証できる環境がなかったため、あくまで絶対評価ということでお許しいただきたい。筆者の環境ではそのバッテリー持ちはかなり高レベルで安定していた印象だ。通学中のYouTube視聴やX閲覧、カメラやSafariなど一般的な用途で1日あたり8から9時間程度画面作動しているが、バッテリーの総消費量は100%を割ることもある程度だ。つまり、朝100の状態でスタートすれば、途中充電せずに帰宅時までは持たせられる程度の余力があるということだ。
さらに、充電時間が短くなった点も評価できる。公称値でも40W以上の充電に対応し、20分で最大50%充電できると謳っている。それを受けて実際に筆者も手持ちの45W充電器と60W対応ケーブルで検証してみたところ、20分で49%、30分で64%という結果になった。惜しくも20分50%には届かなかったものの、30分の時間で2/3充電できればほとんどのシチュエーションにおいて満足できる性能があると感じた。朝の短い時間や一時的な充電など、緊急時にはとても役立ちそうという印象を受けた。
ストレージ
iPhone 16では、Maxを除くファミリー全体として最低ストレージ容量が128GBであったが、iPhone 17では無印を含む全モデルが256GBの大容量ストレージを標準搭載した。筆者自身が今まで使ってきたiPhone SE (第3世代)は64GBだったこともあり大きなステップアップとなったが、ストレージに余裕があることで自由に使える領域が大きいことのメリットはよく感じる。特に、256GBの1/3以上となる96GBをオフラインマップにあてがう采配をしてみたが、このように現実的に必要な容量を超すストレージがあることは心の余裕にもつながって大きなメリットだと感じた。
総括
発売から2週間、メイン機としてフルで使い続けたが、先代の16と比べてもより万人に勧めやすい「Pro譲り」のスペックに仕上がっていると感じた。特に、購入時には大きな期待を寄せていなかったProMotionが想定以上に体感の差を感じ、iOS 26の操作感と相まってiPhone 17の価値向上に一役買っていると感じた。さらに、本記事では特段記載はしていないが、以前からレビューし続けているApple IntelligenceについてもショートカットのIntelligent Actionsなど活用の場が増えたことにより、日常生活に溶け込みやすいAIとしての価値が向上していると思う。
このモデルは、iPhone 15以前のApple Intelligence非対応の無印ユーザーにはもちろん、iPhone 14以前のProユーザーにも強くお勧めしたいと思った。14 Proからであれば、超広角カメラ、ディスプレイ、端子、どれをとってもほとんどが進化でしかないため、それが129,800円という価格で手に入ることを考えると十二分に買い換える対象となる価値はあるだろう。
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