カリフォルニア | 腕時計への回帰【Naoの文字盤論 #01】
Apple Watchには現在、50種類を超える文字盤が用意されている。この連載では、その文字盤一つ一つに焦点を当てて、その特徴や、歴史的経緯、選び方や筆者の使い方など様々な観点から紹介していく。その初回となる今回は「カリフォルニア」文字盤だ。
カリフォルニアの概要
カリフォルニアはwatchOS 6で登場したアナログ表示の文字盤で、クラシックなデザインを楽しむことができる。フルスクリーンと円形の2つから見ためを選ぶことができ、フルスクリーンと比べて、円形はコンプリケーションを多く置くことができ、比較的実用性にフォーカスしたものと言えるだろう。

2025年に登場したwatchOS 26からはApple Watch Series 10以降とApple Watch Ultra 3において秒針の常時表示にも対応した。ただし、デジタルタイムなど画面オン時は秒間更新されるコンプリケーションについては、従来通り腕をあげたときのみの更新となる。
歴史的背景
このローマ数字とアラビア数字を組み合わせた文字盤のスタイルは、現代人の感覚からするとデザインに寄せたようなもののような印象を受ける。しかし、このカリフォルニアダイヤルは視認性や判読性を高めたミリタリーウォッチの文脈と結びついた文字盤であり、上下左右など正確に把握できるようにという工夫によるものだ。そのため、数字以外にも三角形やピル状の図形が組み合わせてできている。
カリフォルニアという名称を考えると、どうしてもAppleの本社が存在するクパティーノがカリフォルニア州にあるから、と考えてしまいがちだが、前述したこの表示方法がカリフォニアダイアルとして一般に普及している名称であることによるものである。

クラシックに寄ったApple Watch
この文字盤が登場したwatchOS 6の当時を考えると、Apple Watchの文字盤は多くがスポーティーなものやApple Watch Series 4と同時に登場した情報量の多い文字盤だった。
しかし、2019年に登場したApple Watch Series 5はセラミック素材の復活に加えて、新しくチタニウムの素材を採用したApple Watch Editionが登場した。さらに腕を下ろした状態でも、文字盤が表示され続ける常時表示ディスプレイ(AOD)の機能が搭載されたのもこの時だ。つまり、Appleはこのとき時計としてのデザイン性に優れた文字盤をApple Watch Series 5をフィーチャーするものとして必要としていたという事情も推察できるだろう。
そこで、クラシックな腕時計文化の中で使われていたカリフォルニアの文字盤を追加した、そんな背景を考えてしまうのも私だけではないだろう。

カスタマイズ項目
ここからは、歴史の話を離れて、実際の文字盤のことを考えていく。
この文字盤では当然、ローマ数字とアラビア数字を組み合わせたカリフォルニアの文字スタイルが中心だが、他にすべての文字を非表示にする「棒状」や、すべての数字をローマ数字や漢数字など17の数字体系から選ぶこともできる。

前述したように、文字盤には、フルスクリーンと円形という2つのスタイルがある。
フルスクリーンはその名の通り、スクリーンいっぱいに文字盤を表示する。画面上部のサブダイヤルには、デジタルタイムも設定することができ、デジタル文字派にも優しい。一方の円形はApple Watchの文字盤としては定番である中央に文字盤デザインが配されるスタイルで、コーナーに4つと円の上部にインラインのコンプリケーションをそれぞれ配置できる。
文字盤のカラーは、背景に色がつくフルカラーの文字盤としてゴールド・ネイビーブルー・アイボリー・ペールピンク・ホワイト・エバーグリーン・マンゴー・スレート・ウォームグレイ・ウォーターメロンに加えて、前述したApple Watch Editionと合わせて使うことで映えるセラミック・ダークチタニウム・ライトチタニウムの3色が用意されている。また、ユニティコレクションに合うレッド/グリーン/ブラック、プライドコレクションに合うレインボーと、他の文字盤とも共通な各カラーが背景ブラックのダイヤルカラーとして用意されている。
なお、常時表示の際にはどのカラーでも背景が黒となり、ダイヤルの色のみが残る形となる。また、スマートスタックを展開した際の上部に表示される時計には背景色が反映され、一方で背景色のないダイヤルカラーの場合は一律でグレー背景となる。
総括
この「カリフォルニア」文字盤は、Apple Watchの中でも特に時計らしさにフォーカスしたものであると言えるだろう。ただそれっぽい見ためにするのではなく、伝統的な腕時計の文脈がある上でコンプリケーションの機能やカラーのカスタマイズなどによってデジタル上で再解釈されたものとなった。
特に、筆者自身もこの文字盤は重用している「1軍ローテ文字盤」であり、それはこのカリフォルニアダイヤルのデザイン性が、デジタルクロックとの共存や常時表示秒針、コンプリケーションの実用性とうまく両立しているからだ。フルスクリーン・全面カラーで楽しむカリフォルニアは美しい。そこに、この文字盤がローテを回り続ける理由がある。
脚注
- https://support.apple.com/guide/watch/faces-and-features-apde9218b440/watchos
- https://www.apple.com/newsroom/2019/06/watchos-6-advances-health-and-fitness-capabilities-for-apple-watch/
- https://www.apple.com/jp/newsroom/2019/09/apple-unveils-apple-watch-series-5/
- https://www.apple.com/newsroom/2024/09/introducing-apple-watch-series-10/
- https://www.apple.com/newsroom/2025/09/introducing-apple-watch-ultra-3/
- https://9to5mac.com/2025/06/09/watchos-26-more-apple-watch-faces-using-series-10s-upgraded-display/
- https://www.panerai.com/gb/en/focus/california-dial.html
- https://wornandwound.com/a-guide-to-modern-california-dials/
- https://www.fratellowatches.com/origins-california-dial-half-arabic-roman/
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