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プライドデジタル | レインボーの原点【Naoの文字盤論 #02】

プライドデジタル | レインボーの原点【Naoの文字盤論 #02】

Appleは、毎年6月のプライド月間に合わせLGBTQ+コミュニティをたたえるPride Collectionとして、Apple Watchバンドと文字盤をリリースしている。その中でも、最も歴史の長い「プライドデジタル」文字盤について紹介する。

プライドデジタルの概要

プライドデジタルはwatchOS 4.3.1で登場したカラフルな背景をキーとするデジタル文字盤で、LGBTQ+コミュニティをたたえることを本分とする。

画面全体に縦方向のストライプがレッド、オレンジ、イエロー、グリーン、ブルー、パープルと6色並び(スタイルIIは7色)、右上に時計が固定で表示されている。右上と右下に、それぞれコンプリケーションを配置することができ、右上は時計の真上であるため今日の日付を置くことができるようになっている。

Appleとプライドの歴史

この歴史は、Apple Watchが発売される前の2014年までさかのぼる。Appleはサンフランシスコ・プライドに大規模に参加し、同年10月にCEO・Tim Cookが自身がゲイであることを公にした。そして、Apple Watchが発売して1年ほどしか経っていない2016年には、米国でサンフランシスコ・プライドに参加した自社社員にレインボーのApple Watchのウーブンナイロンバンドを配布。この翌年となる2017年にはこのウーブンナイロンバンドをPride Editionとして一般販売を開始した。

2018年に登場したPride Editionウーブンナイロン。(画像:Apple)

2018年、「恒例化」したPrideコレクションとして新しいデザインのウーブンナイロンが登場。それに際して登場したのがこの文字盤だった。当初は、この文字盤が唯一のプライド文字盤であり、名称も「プライド」だった。現在の名称で「スタイルI」とされているものが、当時からラインナップされているデザインだ。

さらにその翌年の2019年はPride Editionスポーツループが登場し、それに併せてスタイルIIも登場した。アナログでも使いたい人のためにプライドアナログ文字盤が登場し、それと区別するために「プライドデジタル」と改称された。2020年にはPride Editionスポーツバンドが登場、スタイルIIIが追加されたことで現行の体制となった。

3つのスタイル

前述したように、この文字盤のスタイルI、II、IIIは各年のバンドに対応したデザインになっている。

選べる3つのスタイル。(iPhoneのWatchアプリよりスクリーンショット)

はじめに、スタイルIは2018年に登場した最も歴史の長いプライド文字盤デザインだ。当時最新のApple WatchはApple Watch Series 3であり、画面サイズが小さくベゼルが太かったことから、当時はどの文字盤も黒背景を中心としたものが多かった。このプライドもその流れを継ぐもので、黒背景に6色の線が端がぼやけるように表示されていた。

スタイルIとセットになっている2代めのウーブンナイロンバンドは白いベースに文字盤と同じ6色がデザインされており、主張しすぎないレインボーのバンドとして人気を博した。この6色の線は当時のApple Watchで文字盤とバンドで太さや間隔が合うようになっており、Appleらしいこだわりも感じられる。

次に、スタイルIIは2019年に登場したスポーツループとセットになっている文字盤で、フルスクリーンでレインボーが表示されることが特徴だ。スポーツループであることから織られたような質感を与えるためか、縦に細い糸が連なったようなストライプになっている。

最後に、スタイルIIIは2020年に登場したスポーツバンドとセットになっている文字盤で、鮮やかなレインボーが特徴だ。

アニメーション

この文字盤には、特徴的なアニメーションが用意されている。スタイルIやIIでは糸がうねるようなアニメーションが、スタイルIIIでは似たように6色の境目がうねるアニメーションがそれぞれ存在する。腕を上げた際に少し動いてAlways-Onから復帰、または画面起動がなされる。また、画面(コンプリケーション部を除く)をタップすると、そのタップした場所やタイミングに応じて派手に動く。なお、watchOS 9以前ではDigital Crownを回すことでも派手な動作を楽しめたが、watchOS 10でSmart Stackが導入されたことから現在では削られた。

それぞれのスタイルのアニメーションをキャプチャ。

総括

この「プライドデジタル」文字盤は、現在のApple Watchの文字盤ラインナップを見ると決して実用性が高いとは言えない。時計の見やすさや情報量の多さなど、何か実用の面で秀でているかといえばノーだ。

しかし、この文字盤の真価はそこではない。Apple Watchの画面いっぱいにレインボーを表示したり、バンドと組み合わせたりしてLGBTQ+コミュニティへのメッセージを表現できることにあるだろう。

この連載で紹介する予定の、後年に登場したプライド文字盤はデザイン性や情報量など多彩な方面で進化していったが、その原点には、この6色をシンプルに表示するプライドデジタルが存在するだろう。

脚注

Nao

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